お札の肖像を最初に描いた人はだれ


 日本のお札に初めて肖像が登場したのは、明治14年(1882)に発行された10円札で、肖像に選ばれたのは神功皇后です。

 女性の肖像は、あとにも先にもこの皇后しかいません。神功皇后は神武天皇から第14代目にあたる仲哀天皇のお妃で、応神天皇をおなかに持ったまま、金銀財宝が山とある新羅の国を征伐した、と『古事記』に出てくる人物。『日本書紀』では、この皇后のために一巻を立てて書いているくらいですから、相当の人物だったのでしょう。

 さて、10円札に描かれているこの皇后の肖像画、よく見ると日本人離れしています。じつは、この肖像の原版を彫刻したのは、キヨソーネというイタリア人の彫刻家なのです。彼は日本政府の招きで来日して、皇后の彫刻に取り組んだわけですが、どうやら遠い故郷の美人を頭に浮かべながら彫ってしまった、というのが真相のようです。

 このお札は、紙質もよく、印刷技術も向上して、きれいに仕上がっていたので、大好評だったそうです。

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