国会議事堂でいちばん豪華な場所は


 国会議事堂工事の最高責任者は、江戸時代建造物の研究家として著名だった工学博士の大熊喜邦という人。議事堂の変わった屋根の形は同氏の設計によります。

 議事堂内でいちばん立派な部屋は御便殿です。便殿とは天皇、皇后を始め、皇太后、皇太子、皇太子妃がご休息されるために設けられた部屋のこと。内壁は総漆塗りです。

 御便殿の漆工事を担当したのは、東京美術学校漆工科(東京芸術大学の前身)。同科は、このほか御便殿の隣の皇族室、3番目に立派な議長室の漆工事も担当しました。

 材木はすべて国産材が用いられましたが、漆工事だけで予算は9万8000円(当時)でした。明治20年(1887)に着工し、16年後の36年に竣工しましたが、もりそばが1枚1〜2銭の時代でしたから、その予算のものすごさが想像できるでしょう。

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