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スープとスプーンと音の関係は、西洋料理のマナーと深いかかわりがあります。まず、たかがスプーンと思っている人に、こんな話を紹介しましょう。
フランスで金属製スプーンが使われるようになったのは、14世紀の半ばころからです。当時はまだ貴重品扱いで、宴会などに行くときは、スプーンを各自持参していました。フランスのシャルル5世という王さまは、70数個のスプーンをもっていて、宴席のたびにそのスプーンを替え、自慢のタネにしたというほどです。それほで、貴重なものでした。
ところで、スプーンを使い慣れていない日本人は、ときどきマナー違反をします。スープをすする道具だと思って、口を突き出し、スースー、ズルッと音を立てて飲む人がいますが、正しくは、スプーンのほうを口に運んで、流し込む道具なのです。
また、スープが熱いからといって、吹いたりするのもまたよくありません。
「では、日本には昔から舌つづみという表現があるが、あれはいったいどう説明する」
「茶の湯の世界では、吸い切りといって、茶碗の最後の一口は音を立てて飲むではないか」
と、開き直る方もいるようです。
ごもっとも。昔から、音を立てて食事をするのは平気な国民でした。少しも不作法ではなかったのです。うまいものを飲み食いしたときには、舌を鳴らす。吸い切りは、あとで茶碗を拝見するとき、しずくが落ちないようにするためです。
つまり、洋食には洋食の、和食には和食の作法があるということなのです。
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