Beauty with Umberlla beneath a Willow tree
・柳下傘持美人 絹本

絹本着色 一幅
署名「画狂人北斎画」 印章「辰政」
84.3×25.4cm

北斎は30代後半、宗理を名乗る年代から狂歌絵本や摺物の制作を通して美人画家として頭角を現すが、本図はその宗理様式を顕著に見せる美人図である。制作は享和年代と思われ、当該期には絹本着色の作品が少なく、貴重な1図といえよう。
土坡や柳樹の描法には既に手なれた筆づかいを見せており、壮年北斎の実力の一端を十分に窺わせる。また、全体の配色や窄めた傘を持つ芸妓の表情からも、初夏の雨後の雰囲気がいろ濃く感じられる好ましい作品である。

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