Feminine Waves−Ceiling painting for the Kammachi festival float
・上町祭屋台天井絵「女浪」図 桐板着色 一面

118.0×118.5cm

弘化2年(1845)、北斎は引き続いて小布施を訪れ、上町祭屋台天井絵「怒涛」図の制作と装飾に携わった。
怒涛図「男浪(おなみ)」「女浪(めなみ)」の縁絵は北斎の下絵を基に鴻山が彩色した。この屋台は中国の小説『水滸伝』の武将皇孫勝(公孫勝とも)が剣を抜いて呪文を唱え、龍を天地の間に舞わしめる木彫によって飾られている。これらの木彫は、北斎の意匠と監督のもとに制作されたもので、皇孫勝はこの地方の彫師亀原和田四郎が、龍は江戸の人形師松五郎が刻したものである。
祭屋台は高さ4.84m、幅2.40m、奥行3.85余mを測り、2階建て・台車付きの構造。(長野県宝)
なお、小布施・五町組の祭屋台は、御祭礼に際して5台を揃えて町内を引き廻したものの、昭和以降は10年に1度ほど公会堂の庭などに屋外出陳されてきた。釘を使わない組立式で、町内各戸から出労して1日がかりで組立て、収納の際には胡桃の油で拭いたうえ真綿で覆い、更に油紙で包んで屋台庫に収納されてきた。昭和51年、北斎館の開館にあたって、東町祭屋台とともに収蔵展示室に展示され、現在に至っている。

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