Nisshin-Joma, Daily charm against evil
・日新除魔 紙本

紙本墨画10枚(無款)

北斎は晩年期、日課として獅子の図を描き、現在200枚以上遺存している。
このうち大部を弘化4年、日新除魔と号して「朝な朝な畫き捨たるを高君子の応需にて末世の一笑となりしは今更汗顔をぬくふのみ」と序文を付し、信州松代藩士宮本慎助に与えた、との記録も見える。
本10図は、北斎晩年の門人本間北曜(出羽の人)の需めに応じて与えたもの。
北斎の命名になる日新除魔とは、日を新たに魔を除くことを意図しており、注文画とは異なり私的な作画だけに、伸び伸びとした筆づかいが見られ、北斎晩年の画技の確かさを窺う好資料ともなっている。  なお、日新除魔図は唐獅子や獅子舞の変様を描き、北斎の機知あふれる作品群となっている。

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